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神も仏もいない世界だが、これはつまり神や仏の様なスペックを搭載した超人不在の世界という訳で。


まぁ、人間世界の話なのだから人を超えた者は存在しない、当たり前の事だ。


人間を評価したり罰したりするのが人間である限りは完全な中立性で以って…は不可能なので、全員がそこに付け入る隙を見出すのである。


大きな嘘を隠す為に小さな嘘をついて、その部分については納得を与えて本質的な追求を流れたり、


別の敵を与えてこちらの問題を後回しにさせたり、


弱い立場の人間にハズレを引かせて不都合を回避したり、様々だ。


それら全ての悪逆をお天道様はお見通しかもしれないが、人はお天道様ではないので正しい判断など不可能だ。


だから誰もがハンドルの「遊び」というか緩みを確保しつつ、各々のカリスマに従ってアクセルを踏み込む。


シュルルーム!


慈悲・寛容なき道筋とはつまり、他人にハンドルを100%握らせながらも運転の仕方を62104%強制する事に相違ない。


バーン!


路肩に乗り上げ人を轢こうが、クラッシュしようがガス欠になろうがその教員気取りが責任など取るはずもない。


運転席に座っていたのは自分だろ?てなもんで、かくして世界は再び闇に包まれる。


自分が運転席に座って、どこに向かっているのか。それだけを考えればいい。


だって誰も正しい判断などできやしないのだから。


ドカーン!