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生物多様性について。
外では強風がひっきりなしに吹いている。
雷雨に吹雪、後は考え得る限りの自然の猛威が四季問わず振るわれる島があるとしよう。
生き残るのは岩石・雑草。
パフィンやチーターは種を継続できない。
或いは生態系に適応する形での変貌を遂げる必要がある。
岩石と雑草で栄養価を賄える様になったチーターはもはや獲物を追う事もない。
速力は衰え、幽鬼のような紫色の体毛を壁にこすりつけながら、フィヨルドの崖下の洞穴で1日を終えるだろう。
岩石や雑草は不変だ。
変化する必要すらない。
雷に打たれれば2つに割れ、雨に打たれれば艶やかに丸く削られる。
ただ外界の動きに合わせて適当にしていればいい。
どの島にも最後は丈夫な雑草と岩石だけが残る。