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タフガイがいるとして、少なくとも世間の誰かが自分をそう思っているのと同等程度にその男がタフで、それをあえて世間に周知してみる程度にはタフガイ気取りだとすると、彼はそういったタフ関連の物事でミスを犯しがちになるのではないか、と思う。
タフさでは引けを取らない、自分の事をそう思っている彼は他人との競争においてタフさを重視した行動・言動を行っていく筈だ。
そのアクションは大抵他人のタフさを考慮しないものであろう。
だが、男が思っている程にタフさにおいて、他人との差異は無い。
男が瞳に原初の炎を宿しているとか、恋人を陵辱されて復讐に燃えるテレパスだとかであれば話は別だが、十中八九そんな事はない。
だから十中八九、自称タフガイ君の取る選択は一般人にも容易なものの筈だ。
しかし彼はタフな自分にのみ取り得るアクションだと少なからず思い込む為、相手の同様な行為に対して脇が甘くなる。
結果としてタフな選択を相手に使われ、場合によっては後ろから刺される様な事になる。
だから自分のアクションが相手に学習されて使われる類のものなのか、アクションへの有効な対策はあるのか、ここを常に考えていく必要があると思う。
タフの部分を賢い、冷静、狂気に変えても同じ事が言える。