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河原、商店街、野球ー

 

いずれも自分の原風景にはないものだけど、いつも近くに置きたいと思っているものだ。

 

河原という時に頭に浮かぶものは、多摩川や荒川の河川敷を斜めに見下ろす舗装されたサイクリングコースからの主観視点で、夕暮れを背景に電車がガタンゴトンと陸橋の上を渡っていくシーンだ。

 

商店街はどの街にもあるものだけど、同じ名前を冠した小学校と中学校が右端と左端に配置されていて駄菓子屋には小学生、スーパーには主婦と幼児、コンビニのイートインで中学生がたむろしていて、夜は銭湯にあらゆる世代が集まる。

朝昼夜時間帯ごとに年齢別人数の増減がはっきりしている様な、そんな商店街が良い。

 

野球は小中高通してほぼ縁のない競技だった。

小中高通しての友達が野球ゲームに嵌り、現実でも野球部に仮入部したり、草野球チームを編成したりといった事に付き合った位だ。

仮入部した野球部は2日で辞めたし、草野球は1回だけ試合をして解散となった。

今でも野球のルールはろくに分からないしテレビ中継を通して観た事もない。

打席順を待っている時に見た周りの風景とか、トンボ掛けされたグラウンドの砂埃だとか、ボールを捉えた時のバットの手応えといった小さな記憶群は、人生に何ら影響を与えていないものの結構残っている。

 

時間数的には触れる事の少なかった3つの風景だが、今後アクセスする機会があれば関わっていきたいと思う。

商店街を自転車で通って河原に出て、河川敷の草野球の助っ人に駆けつける様な機会。

そういう風景があり得る場所にいつか住みたい。