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塚本晋也監督の最新作「斬、」を観に行った。

 

「バレット・バレエ」での銃、「鉄男」や「野火」での重火器や戦車。

鉄で作られた熱く冷たい暴力装置群、今回は日本刀だ。

 

火の中で熱された鉄が打たれて刀となり、侍の手に在る。

侍は刀の扱いに長けるものの、それが真に意味する所から目を逸らす。

 

鉄の暴力に強く執着しつつも、人を斬る事を避け続ける。

懇意にしていた若者が斬られようと意中の女が乱暴されようと、侍は決して覚醒しない。

 

そして在る人物の愛憎交じった働きかけにより侍は極限状態に追い込まれ、次の段階へと移行していくー

 

集中と執着が合わさって脳の芯が冷たく覚醒していく、あのアシッド感は時代劇作品でも健在で面白かったな。

 

それを明瞭に感じるには、音と映像が絶対必要量分拡充していないといけない。

家のこじんまりした機器ではなく、やはり映画は映画館で観たい。

 

眠くてうまくまとまらないが、そんな事を思った。