2019-02-19から1日間の記事一覧

ショートショート「ステクボ・ハルオ 26歳の秋」

「太陽は今 街中を 血の色に染めて・・・ この心と共に焦がす ありふれた午後・・・」 船着き場で一人、太陽が傾くのをずっと見ていた。 縄を括り付ける出っ張りの上にカウボーイブーツを置いて、自分の少年時代の様に陰惨で衝撃的な赤いスクリーンを海の上…

ショートショート「ステクボ・ハルオ 24歳の冬」

僕の名前はステクボ・ハルオ。 24歳。 高等学校を出てからごく最近までの記憶が欠落している。 最後に憶えていた記憶は卒業証書を校長から受け取り、振り向いた時に見た景色だ。 卒業生一同とその父兄達でごった返した筈の体育館。 数瞬前までは確かにざわ…